爽やかな季節となりインフルエンザが落ち着いたと思ったら、今度はRSウィルスが広がっています。
RSウィルスはお子さん、特に乳幼児に感染しやすい気道感染症の原因となるウィルスです。
他の風邪ウィルスに比べると気管支の奥に入り込む性質があり、咳や鼻水以外に喘鳴(ゼイゼイする)や呼吸困難(息苦しさ)がみられることがあります。
病態としては、上気道炎から更に悪化して気管支炎や肺炎になることもあります。以前は秋や冬に流行していましたが、最近は春から夏に流行する傾向にあります。生後1歳までに50%以上の人が、2歳までにほぼ100%の人が一度は感染し、何度も感染するとされています。
治療は特別なものはなく、症状を和らげる対症療法が中心となります。咳や痰を和らげる薬を服用したり、水分、母乳・ミルクをしっかり摂ることが基本となります。
小さいお子さんや赤ちゃんの呼吸が苦しそうになってきたり、母乳やミルクが飲めなくなると入院して治療する可能性が出てきます。ご自宅では、呼吸状態や哺乳状態をしっかりと観察することが重要となってきます。
RSウィルスは飛沫感染や接触感染によってうつるため、予防としては手洗いをしっかり行うこと、お子さんが触る物などのこまめな消毒などの基本的な感染対策が重要です。
予防するワクチンは現在では重症化リスクのある病気(早産児や先天性心疾患など)のお子さんを対象に投与されています。
気になる症状がある方は受診して下さい。