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コトコト日記

【台風と喘息】

ここのところ頻繁に台風が発生しています。
台風の発生に伴い、気圧の変化や朝晩冷え込む気温差とともに体の不調を訴える方も多いと思います。

そしてこの時期に多くみられるのは「喘息」です。
喘息の原因は様々で、風邪などのウィルス感染や気圧の変化がきっかけで「発作」が起きることがあります。また朝晩の冷え込む時間帯に冷気を吸い込むことや、気温差によっても「発作」がおきます。

主な症状は特有の咳と喘鳴です。夜中や明け方の咳は特徴的で、苦しくて眠れなかったり、咳込んで起きてしまうこともしばしばあります。喘鳴は「ゼーゼー」と表現しますが、これは息を吐く時の気道の狭窄音です。

一度「発作」が起きると咳込んだり、苦しくて眠れないこともありますので、重要なのは「発作」が起きないように日頃からコントロールすることです。予防薬として飲み薬や吸入薬があり、喘息の状態によって使い分けられます。

これからはだいぶ暑さがやわらぎ、過ごしやすい季節となりますが、喘息にとっては気温の低下や台風到来など、やっかいな時期となります。

診断は主に問診や聴診によって行います。場合によっては発作止めや予防薬の効果の有無によって診断することもあります。補助診断として、レントゲンや血液検査、呼吸機能検査を行うこともあります。

気になる症状がある方は受診して下さい。

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【麻疹(はしか)都内で発生】

3月の上旬に都内で麻疹の患者さんが確認されました。

その後も報告が相次いでいます。
日本は2000年以降麻疹ワクチンを2回接種する機会を設けたことなどにより、2009年以降は10〜20代の患者数が激減し、2015年に「国内から麻疹を排除した」と認定されました。
よって2015年以降の感染は海外からの持ち込みということになります。
一方海外で麻疹は、中央アジアやアフリカの国々を始め「世界的流行」状況にあります。
コロナ禍での医療機関のひっ迫を背景に、定期の予防接種率が低下したことなどが原因と考えられています。

現在日本では、海外での流行と渡航する人の増加により、海外からの持ち込みがやや増えている状況です。

これまで日本におけるMR(麻疹風疹)ワクチンの接種率は95%以上の高い数値を維持していましたが、コロナパンデミックも相まって2021年には93%にやや低下し、流行に拍車をかける可能性が出てきました。

麻疹は飛沫感染、接触感染そして空気感染もするため、感染力がとても強いのが特徴です。潜伏期間は10〜12日間、発熱、咳や鼻水が数日続いた後、一旦解熱しますが再び高熱が出て次第に顔や体に発疹(赤いブツブツ)が出ます。熱や倦怠感が1週間程度続くので、本人はかなり「しんどい」と思われます。

重症化すると肺炎や脳炎に至ることもありますので、要注意です。治療は解熱剤の投与や水分摂取などの対症療法となります。よって麻疹に対しては「ワクチンで予防する」ことが重要となってきます。

現在の定期接種では、満1歳時と就学前の2回が推奨されています。

ウィルスに対してなるべく多くの方が「予防」を行って、「広めない」ことが大切になります。

ワクチン接種歴については今一度ご確認ください。