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【インフルエンザワクチン2024/25シーズン】

今年もインフルエンザが流行する季節がやってまいりました。
備えとしてインフルエンザのワクチンは是非接種しておきたいものです。
インフルエンザは毎年流行する株が異なるため、ワクチンは毎年接種することになります。 一般的に予防接種は、感染後に発症する可能性を低める効果と、発症した場合の重症化防止に有効と報告されています。

インフルエンザは悪寒や高熱、筋肉痛など、風邪と比べるとやや重い症状が見られます。
また主に子どもに見られる合併症として、脳炎や脳症、異常行動(突然走り出す、飛び降りるなど)、高齢者には肺炎の合併が多く見られ、通常の風邪と比べると合併症も重症です。よってできるだけワクチンで予防しておくことが重要です。

今までは「不活化ワクチン」を接種していましたが、今年から「生ワクチン」の認可がおりました。

「フルミスト点鼻液」というもので、鼻に液体を0.1mlずつ噴霧するものです。
対象は2歳から18歳までの方で、重症な喘息やゼラチンアレルギー、その他重篤な基礎疾患のない方が対象となります。「ワクチン(予防接種)=注射」という概念を超えた新しいタイプのものです。接種回数は1回で、約1年効果が持続します。受験を控えた受験生などにとっては朗報かと思います。副反応として、数日後に鼻閉や鼻漏などの鼻炎/鼻風邪症状が見られることがありす。また、小さいお子さんで接種時に激しく泣いてしまって鼻汁がたくさん出てしまうと効果が低下するとのことです。

注射が苦手なお子さんにとっては、新しい選択肢となり得ます。
詳しい説明を聞きたい方はご相談下さい。

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【台風と喘息】

ここのところ頻繁に台風が発生しています。
台風の発生に伴い、気圧の変化や朝晩冷え込む気温差とともに体の不調を訴える方も多いと思います。

そしてこの時期に多くみられるのは「喘息」です。
喘息の原因は様々で、風邪などのウィルス感染や気圧の変化がきっかけで「発作」が起きることがあります。また朝晩の冷え込む時間帯に冷気を吸い込むことや、気温差によっても「発作」がおきます。

主な症状は特有の咳と喘鳴です。夜中や明け方の咳は特徴的で、苦しくて眠れなかったり、咳込んで起きてしまうこともしばしばあります。喘鳴は「ゼーゼー」と表現しますが、これは息を吐く時の気道の狭窄音です。

一度「発作」が起きると咳込んだり、苦しくて眠れないこともありますので、重要なのは「発作」が起きないように日頃からコントロールすることです。予防薬として飲み薬や吸入薬があり、喘息の状態によって使い分けられます。

これからはだいぶ暑さがやわらぎ、過ごしやすい季節となりますが、喘息にとっては気温の低下や台風到来など、やっかいな時期となります。

診断は主に問診や聴診によって行います。場合によっては発作止めや予防薬の効果の有無によって診断することもあります。補助診断として、レントゲンや血液検査、呼吸機能検査を行うこともあります。

気になる症状がある方は受診して下さい。

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【マイコプラズマ肺炎】

今年の夏は手足口病、ヘルパンギーナ以外に「熱」と「長引く咳」の原因となる「マイコプラズマ」が猛威を振るっています。以前は4年に1回「オリンピックイヤーに流行する」と言われていましたが、今年は約8年ぶりの高水準とのことです。

主な感染経路は飛沫感染で、咳やくしゃみで感染します。潜伏期間は約2週間で通常の風邪に比べて長く、また初期症状が軽いこともあることから「歩く肺炎」とも言われています。気付かないうちに感染を広めていたり、感染していたりすることもあるでしょう。
検査は、喉の培養検査、迅速の診断キットによる抗原検査、血液の抗体検査などがあります。肺炎の診断は胸部レントゲン撮影を行います。

風邪はウィルスによるものが多いので、対症療法が中心になりますが、マイコプラズマには抗菌薬が有効です。ただ最近はマイコプラズマに有効とされる抗菌薬であるマクロライド系抗菌薬に耐性のものもいるので、抗菌薬を内服していても症状が長引く場合には抗菌薬の変更が必要となるかもしれません。

有効なワクチンはありませんので、かからないよう、またうつさないよう気を付けたいものです。予防として手洗い、マスクなどの基本的な感染対策を行うことや、栄養・睡眠を十分取ることで体力をつけて乗り越えましょう。

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【パリ五輪】

連日熱戦を繰り広げていたパリ五輪が幕を閉じました。ヨーロッパでの開催は時差があるため、決勝戦は日付を越えてからのことが多く、寝不足の方も多かったと思います。


いわゆる「日本のお家芸」で結果を残した選手や、「日本人ではメダルは獲れない」と言われていた競技でメダルを獲得した選手がいる一方、有力候補と呼ばれ結果が残せなかった選手もおり、悲喜こもごもでした。

今回の五輪は、夏冬を通して久しぶりのヨーロッパ開催であり、地元フランスやヨーロッパの各国が躍動する中、日本人選手の活躍には目を見張るものがあり、特に日本ではあまり馴染みがない競技や若い選手の活躍も印象的でした。


もし自分に才能があったらどの競技に参加したいか、などと妄想を膨らませると同時に、決勝の舞台に立つなど、到底あの緊張感には耐えられないだろうとも思いながら、テレビの前で応援している日々でした。

今回の五輪をきっかけに様々な競技の裾野が広がることが期待されます。
この後はパラ五輪、1年半後にミラノ・コルティナ冬季五輪、4年後にはロス五輪と続いていきます。

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【手足口病が大流行!】

夏に流行するお子さんの代表的な感染症の一つが「手足口病」です。その名の通り、手や足、口に赤いブツブツ(発疹)ができて、高熱が出るウィルス感染症です。コクサッキーウィルスやエンテロウィルスなどによります。


発疹のできる場所は、口周り、喉、口の中、手のひらや指、腕、膝や足の裏にできやすく、お尻のわれめなどにもみられることがあります。発疹は水ぶくれやニキビのような赤いブツブツで、あまり痛みや痒みを伴いません。ただ喉や口の中にできた口内炎のような発疹は痛みを伴うことが多いです。

また、手足口病に似た感染症で夏風邪の一種とされる「ヘルパンギーナ」もあります。手足口病同様に高熱が出て、喉に水疱ができます。こちらは喉の痛みを伴うことが多く、よだれが増えたり、食欲が落ちたりします。
いずれも治療は特効薬などなく、熱を下げたり、喉の症状を和らげるような対症療法が中心となります。食事は喉越しの良い食べ物、うどんや素麺、茶碗蒸しなどが良いでしょう。

感染経路は飛沫感染や接触感染となるため、手洗いなどの基本的な感染対策が重要です。
お子さんに多い感染症ですが、まれに大人の方もかかりますので、小さなお子さんがいるご家庭のパパやママ達はご注意下さい。

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【梅雨入り】

今年も梅雨の季節がやってまいりました。

じめじめして蒸し暑く、うっとうしく感じる方が多いと思います。
この時期に気を付けたいのは「カビ」です。

お風呂場や洗面所など、水回りで日が当たらない場所に生息しやすいです。ただの「カビ」と思うかもしれませんが、喘息やアトピー体質の方には天敵となることがあります。
家の中にあるカビやダニ、ハウスダストは、口や鼻から吸い込むことによって、また皮膚から体内に侵入して「喘息」や「アトピー性皮膚炎」などのアレルギー疾患を発症させる原因となります。

これらアレルギーの原因となるアレルゲンが皮膚から体の中に侵入してアレルギーを引き起こすことを「経皮感作」といい、食物アレルギーの原因や様々なアレルギーが発症する機序とも考えられています。

口や鼻だけではなく、皮膚からもアレルゲンが侵入することがあります。お子さんはより早期の新生児期、乳児期にスキンケアを行うことで後のアトピー性皮膚炎の発症を抑え、「アレルギーマーチ」を予防する効果があるとされています。

この時期もスキンケアは念入りに行いたいものです。


カビ対策としては、湿気がこもらないようお風呂場や台所などの換気をこまめに行うこと、エアコンや洗濯機のカビ取りなども定期的に行いましょう。


気になる症状のある方はぜひ一度ご相談ください。

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【RSウィルス感染症】

爽やかな季節となりインフルエンザが落ち着いたと思ったら、今度はRSウィルスが広がっています。
RSウィルスはお子さん、特に乳幼児に感染しやすい気道感染症の原因となるウィルスです。

他の風邪ウィルスに比べると気管支の奥に入り込む性質があり、咳や鼻水以外に喘鳴(ゼイゼイする)や呼吸困難(息苦しさ)がみられることがあります。

病態としては、上気道炎から更に悪化して気管支炎や肺炎になることもあります。以前は秋や冬に流行していましたが、最近は春から夏に流行する傾向にあります。生後1歳までに50%以上の人が、2歳までにほぼ100%の人が一度は感染し、何度も感染するとされています。

治療は特別なものはなく、症状を和らげる対症療法が中心となります。咳や痰を和らげる薬を服用したり、水分、母乳・ミルクをしっかり摂ることが基本となります。

小さいお子さんや赤ちゃんの呼吸が苦しそうになってきたり、母乳やミルクが飲めなくなると入院して治療する可能性が出てきます。ご自宅では、呼吸状態や哺乳状態をしっかりと観察することが重要となってきます。


RSウィルスは飛沫感染や接触感染によってうつるため、予防としては手洗いをしっかり行うこと、お子さんが触る物などのこまめな消毒などの基本的な感染対策が重要です。


予防するワクチンは現在では重症化リスクのある病気(早産児や先天性心疾患など)のお子さんを対象に投与されています。
気になる症状がある方は受診して下さい。

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【麻疹(はしか)都内で発生】

3月の上旬に都内で麻疹の患者さんが確認されました。

その後も報告が相次いでいます。
日本は2000年以降麻疹ワクチンを2回接種する機会を設けたことなどにより、2009年以降は10〜20代の患者数が激減し、2015年に「国内から麻疹を排除した」と認定されました。
よって2015年以降の感染は海外からの持ち込みということになります。
一方海外で麻疹は、中央アジアやアフリカの国々を始め「世界的流行」状況にあります。
コロナ禍での医療機関のひっ迫を背景に、定期の予防接種率が低下したことなどが原因と考えられています。

現在日本では、海外での流行と渡航する人の増加により、海外からの持ち込みがやや増えている状況です。

これまで日本におけるMR(麻疹風疹)ワクチンの接種率は95%以上の高い数値を維持していましたが、コロナパンデミックも相まって2021年には93%にやや低下し、流行に拍車をかける可能性が出てきました。

麻疹は飛沫感染、接触感染そして空気感染もするため、感染力がとても強いのが特徴です。潜伏期間は10〜12日間、発熱、咳や鼻水が数日続いた後、一旦解熱しますが再び高熱が出て次第に顔や体に発疹(赤いブツブツ)が出ます。熱や倦怠感が1週間程度続くので、本人はかなり「しんどい」と思われます。

重症化すると肺炎や脳炎に至ることもありますので、要注意です。治療は解熱剤の投与や水分摂取などの対症療法となります。よって麻疹に対しては「ワクチンで予防する」ことが重要となってきます。

現在の定期接種では、満1歳時と就学前の2回が推奨されています。

ウィルスに対してなるべく多くの方が「予防」を行って、「広めない」ことが大切になります。

ワクチン接種歴については今一度ご確認ください。

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【寒暖差にご注意を】

近年暖かくなる日が早まっています。

2月なのに暖かい日が続くと思ったら、急に寒くなったり、日中は暖かいけれど朝晩冷え込んだりと、寒暖差が大きいのが近年の特徴となっているようです。

この寒暖差の影響で体がだるく感じたり、頭痛などの体調不良を訴える方も多いと思います。鼻水や鼻づまりなどの症状がある方は、寒暖差アレルギーが原因とも言われています。


寒暖差が大きいと自律神経が乱れ、様々な体調の変化が出るとされています。頭痛や鼻水・鼻づまりは、風邪や花粉症の症状と似ているため区別が付きにくいです。発熱や咳を伴う場合は風邪のことが多く、だるさや倦怠感を伴う場合は寒暖差、目のかゆみや充血を伴う場合は花粉症のことが多いとされています。ご自身で症状を確認してみましょう。


対策としては、服装に注意して体温調節をはかること、食事や十分な睡眠を取ること、適度な運動を行うなど基本的な日常生活を行うことが挙げられます。

特に食事や運動は忙しくなるとおろそかになりがちです。   食事に関してはタンパク質やビタミンの摂取を心がけたいものです。

運動に関しては「歩く癖」をつけること、エレベーターではなく階段を使うことや、小走り程度に歩くことも効果があるようです。

睡眠は時間だけではなく「質」も重要です。体内リズムを整えるためにもなるべく決まった時間に寝ることや、直前にスマホの画面を長時間眺めないことなどが良いでしょう。

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【感染性胃腸炎にご注意下さい】

例年、冬にはインフルエンザ以外に感染性胃腸炎(お腹の風邪)が多くみられます。

ほとんどがウィルス性で、「ノロウィルス」、「ロタウィルス」、「アデノウィルス」などがあります。         主な症状は下痢・嘔吐・腹痛です。感染した人の便や吐物に触れることによって感染します。

これらのウィルスはアルコール消毒の効果が乏しいので、石鹸で手洗いをすることをお勧めします。


原因はウィルスのため、特別な治療法はなく、吐き気を抑えるお薬(飲むまたは坐薬)を使うなどの対症療法が行われます。  吐き気がおさまるまでしばらく水分や食事は控えて胃腸を休ませ、吐き気がおさまったら少しずつ水分を補給しましょう。     小さなお子さんの場合、始めはスプーン1さじ、おちょこ1杯などのように少しずつ開始すると良いでしょう。        電解質が含まれているイオン水も良いです。水分がとれるようになってきたら少しずつ食事を開始します。          食事内容は消化の良い物、主食として炭水化物のおかゆやうどん、副菜としてタンパク質のお豆腐や白身魚、野菜は白菜や大根が良いです。食べすぎないよう、量を調節して下さい。


それでもなお、嘔吐が続く場合や、顔色が悪い、おしっこが少ないなどの場合は脱水の可能性がありますので、夜間でも救急外来を受診して下さい。