今年猛威をふるった感染症の一つがノロウィルスです。毎年11月から2月の冬場にかけて多発します。「感染性胃腸炎」の一つであるとともに「食中毒」の原因にもなります。

症状は嘔気、嘔吐、下痢です。典型的には突然の嘔気・嘔吐で始まり、複数回嘔吐した後、下痢が出現します。発熱を伴うこともあります。嘔気・嘔吐は半日から1日ほどで軽快しますが、下痢は1週間ほど続きます。

主な感染経路は接触・飛沫・経口感染です。吐いた吐物や唾液、便から感染します。感染力が強く、アルコール消毒よりも塩素消毒液(次亜塩素酸ナトリウム)が有効です。

治療は対症療法です。脱水を予防するため、経口補水液などを少量ずつ摂取します。吐き気が強い場合は制吐剤(吐き気止め)の内服や坐薬を使用します。下痢に対しては、止めるのではなくむしろ出して治します。腸内環境を整える整腸剤を服用することが多いです。小さいお子さんなどで脱水症状がある場合には点滴を行うこともあります。
カキやアサリなどの二枚貝は良く火を通してノロウィルスを死滅させてから食べましょう。
